多言語ホームページの作り方|翻訳・SEO・運用で失敗しないポイント

多言語ホームページの作り方|翻訳・SEO・運用で失敗しないポイント

目次

多言語ホームページは、単に日本語サイトを翻訳するだけでは十分ではありません。

海外企業との取引、外国人顧客の獲得、インバウンド対応、外国人材の採用などを目的に、多言語ホームページを検討する企業は増えています。

そのときによくあるのが、

「今ある日本語サイトを英語に翻訳すればいい」

という考え方です。

しかし、多言語ホームページで成果につなげるには、文章を別の言語へ置き換えるだけでは不十分です。

考える必要があるのは、

  • 誰に見てもらうのか
  • どの国・地域を対象にするのか
  • どのような言葉で検索されるのか
  • どんな情報が信用につながるのか
  • どうやって問い合わせてもらうのか
  • 公開後に誰が更新するのか

といった、サイト全体の設計です。

多言語サイトは、「翻訳作業」ではなく「別のユーザーに向けたホームページ制作」として考えることが重要です。

「多言語サイト」と「多地域サイト」の違い

似た言葉ですが、「多言語」と「多地域」では考え方が異なります。

多言語サイト

複数の言語でコンテンツを提供するサイトです。

例えば、

  • 日本語
  • 英語
  • 中国語
  • ベトナム語

など、言語ごとにページを用意します。

多地域サイト

複数の国や地域を対象として、ユーザーごとに異なる情報を提供するサイトです。

例えば同じ英語でも、

  • アメリカ向け
  • イギリス向け
  • オーストラリア向け

では、価格・サービス内容・配送条件・表現などが異なる場合があります。

そのため制作前には、

「英語ページを作りたい」

だけでなく、

「英語を使う、どの国・地域の誰に届けたいのか」

まで整理しておくことが重要です。

多言語ホームページ制作前に決めるべき5つのこと

多言語サイトを作り始める前に、最低限次の5項目を整理しましょう。

対象となる国・地域

まず、どこにいるユーザーへ届けたいのかを決めます。

例えば、

  • アメリカ
  • 東南アジア
  • ベトナム
  • 中国
  • 日本国内に住む外国人

などです。

対象地域によって、必要な言語や情報が変わります。

対応する言語

「海外向けだから英語」とは限りません。

実際の顧客や採用ターゲットを基準に、必要な言語を決めます。

サイトの目的

多言語化の目的も明確にします。

例えば、

  • 海外企業からの問い合わせ獲得
  • 海外への商品販売・輸出
  • 外国人観光客からの予約
  • 外国人材の採用
  • 海外拠点の紹介

などです。

目的によって、必要なページや問い合わせ導線は異なります。

翻訳するページ

すべてのページを最初から翻訳する必要はありません。

まずは、

  • トップページ
  • サービスページ
  • 会社概要
  • 実績・事例
  • FAQ
  • お問い合わせ

など、ユーザーが比較・判断するために必要なページから対応する方法もあります。

公開後に誰が更新するのか

多言語サイトでは、公開後の更新体制が非常に重要です。

公開時には正確に翻訳されていても、

半年後には日本語版だけ更新され、外国語版の料金やサービス内容が古い

という状態は避けなければなりません。

制作段階から、

「日本語を更新したら、誰が他言語版を確認・更新するのか」

まで決めておきましょう。

多言語サイトのURL設計|言語ごとに別URLを用意する

多言語SEOで重要なのがURL設計です。

基本的には、言語ごとに異なるURLを用意し、それぞれのページへ検索エンジンがアクセスできる状態にします。

代表的な方法は次の3つです。

サブディレクトリ

例:

日本語
example.com/ja/

英語
example.com/en/

中国語
example.com/zh/

同じドメイン内で管理できるため、中小企業サイトでも比較的運用しやすい方法です。

サブドメイン

例:

ja.example.com

en.example.com

言語や地域ごとにサイトを分けて管理しやすい反面、運用環境が複雑になりやすい点には注意が必要です。

国別ドメイン

例:

ドイツ
example.de

フランス
example.fr

対象国が明確になるメリットがありますが、ドメイン・サーバー・サイト管理の負担も増えます。

初めて多言語サイトを制作する中小企業であれば、既存ドメイン内のサブディレクトリ方式は、管理のしやすさという点で検討しやすい選択肢です。

多言語SEOで重要なhreflangとは?

多言語サイトで覚えておきたい設定の一つが、hreflang(エイチレフラング)です。

言語・地域ごとのページ関係を検索エンジンへ伝える

例えば、

  • 日本語版
  • 英語版
  • 中国語版

に同じ内容のページが存在する場合、

「これらは、それぞれ異なる言語のユーザー向けページです」

と検索エンジンへ伝えるためにhreflangを使用します。

設定方法としては、

  • HTML
  • HTTPヘッダー
  • XMLサイトマップ

などがあります。

複数の方式を無理に併用する必要はなく、サイトの管理方法に合った形で正しく運用することが重要です。

hreflangは相互設定する

hreflangで注意したいのが、一方向だけ設定するケースです。

例えば、

日本語ページ → 英語ページ

だけ設定し、

英語ページ → 日本語ページ

の指定がない状態です。

基本的には、それぞれの言語版から、自分自身を含む対応ページを指定します。

例えば、

日本語ページ
→ 日本語・英語・中国語

英語ページ
→ 日本語・英語・中国語

中国語ページ
→ 日本語・英語・中国語

という形です。

新しい言語ページを追加するときは、翻訳作業だけでなく、既存ページを含めたhreflangの更新まで作業範囲に含めましょう。

x-defaultでデフォルトページを指定する

サイトで対応していない言語のユーザーがアクセスする場合もあります。

その際に利用できるのが、

hreflang="x-default"

です。

例えば、

「Select your language」

という言語選択ページを、特定の言語に当てはまらないユーザー向けのページとして指定する方法があります。

翻訳で失敗しないための5つのポイント

直訳ではなく「現地で伝わる文章」にする

日本語として自然な表現でも、そのまま翻訳すると海外ユーザーには伝わりにくい場合があります。

例えば、

「地域密着で、お客様に寄り添います」

という表現です。

日本ではよく見られますが、海外ユーザーが知りたいのは、

  • どの地域まで対応しているのか
  • どれくらい早く対応できるのか
  • 具体的にどこまで支援してくれるのか

といった情報かもしれません。

多言語化では、日本語をそのまま別の言語へ置き換えるのではなく、対象ユーザーに必要な情報へ編集することが重要です。

検索キーワードも言語ごとに調査する

日本語SEOで狙っているキーワードを、そのまま英訳すればよいとは限りません。

例えば日本語の、

「ホームページ制作」

に対して、英語圏では目的によって、

  • web design
  • website development
  • web design agency
  • website company

など、異なる表現で検索される可能性があります。

そのため、

日本語キーワードを翻訳する

のではなく、

対象言語・地域で実際に使われる検索表現を調べる

ことが重要です。

titleや見出し、本文も、その地域の検索意図に合わせて設計しましょう。

料金・単位・日付・住所表記もローカライズする

文章だけ翻訳されていても、

  • 円だけで料金が表示されている
  • 日本独自の単位を使用している
  • 電話番号が国内形式のみ
  • 日付表記が分かりにくい
  • 営業時間のタイムゾーンが不明

という状態では、海外ユーザーにとって使いやすいサイトとは言えません。

必要に応じて、

  • 通貨
  • 単位
  • 電話番号
  • 日付
  • 時刻
  • 住所
  • 配送地域
  • 対応エリア

なども調整します。

翻訳だけでなく、実際に利用できる状態まで整えることがローカライズです。

メニュー・フォーム・メールまで言語を統一する

本文が英語でも、

  • メニューだけ日本語
  • フォームのエラーだけ日本語
  • ボタンが「お問い合わせ」
  • 自動返信メールが日本語

では、途中でユーザー体験が途切れてしまいます。

確認したいのは、

  • ヘッダー
  • フッター
  • メニュー
  • CTA
  • フォーム
  • エラーメッセージ
  • サンクスページ
  • 自動返信メール

までです。

問い合わせ完了まで同じ言語で進められるかを確認しましょう。

AI・機械翻訳は人による確認を前提にする

現在はAIや機械翻訳を活用することで、多言語コンテンツを効率よく制作できます。

ただし、

「翻訳できること」と「そのまま公開できること」は別です。

特に、

  • 商品名
  • 専門用語
  • 業界用語
  • 契約条件
  • 料金
  • 法的表現
  • キャッチコピー

などは、誤訳による影響が大きくなります。

AIや機械翻訳を下訳として利用し、その言語や業界に詳しい人が最終確認する運用が安全です。

重要なのは、AIを使ったかどうかではなく、そのページが対象ユーザーにとって正確で役立つ内容になっているかです。

海外ユーザーから問い合わせを増やすページ設計

多言語サイトを作っても、会社概要やサービス名だけを翻訳した状態では、問い合わせにつながりにくい場合があります。

最低限、次の情報を整えましょう。

何を提供している会社なのか

ファーストビューで、

「誰に、何を提供している会社なのか」

が分かる状態にします。

海外ユーザーは自社について何も知らない状態で訪れる可能性が高いため、曖昧なキャッチコピーだけで終わらせないことが重要です。

どの地域に対応しているのか

海外対応では、対応エリアを明確にしましょう。

例えば、

  • 日本国内のみ対応
  • 海外発送可能
  • オンライン対応可能
  • 特定の国・地域のみ対応

などです。

実績・取引事例

海外ユーザーにとって、自社はまだ「知らない企業」です。

そのため、

  • 導入事例
  • 取引実績
  • 対応業界
  • 写真
  • 実績数

など、企業としての信頼を判断できる材料を用意します。

会社情報

最低限、

  • 正式な会社名
  • 所在地
  • 代表者
  • 設立
  • 事業内容

などを分かりやすく掲載します。

問い合わせ方法

海外からでも利用しやすい問い合わせ方法を用意します。

例えば、

  • 問い合わせフォーム
  • メールアドレス
  • オンラインミーティング
  • 対応可能言語

などです。

日本国内向けの電話番号しか掲載されていないと、問い合わせのハードルが高くなる場合があります。

言語は自動切り替えより「ユーザーが選べる設計」にする

ブラウザ言語やIPアドレスを利用して、

日本からアクセス
→ 日本語

海外からアクセス
→ 英語

のように自動で切り替えたくなることがあります。

しかし、自動転送だけに依存すると、ユーザーが希望する言語版を閲覧できなかったり、検索エンジンがすべてのページへアクセスしにくくなったりする可能性があります。

基本は、ユーザー自身が言語を選択できる状態にします。

例えばヘッダーに、

JP|EN|中文

といった言語切り替えリンクを設置します。

必要に応じて、

「英語版があります。切り替えますか?」

と案内する方法もあります。

勝手にページを移動させるのではなく、ユーザーへ選択肢を提供する設計が分かりやすいでしょう。

多言語サイトでよくある失敗7選

日本語サイトを丸ごと自動翻訳しただけ

対象ユーザーの文化・検索意図・必要情報まで考慮されていないと、文章は読めても問い合わせにはつながりにくくなります。

改善:対象ユーザーに必要な情報へローカライズする

すべて同じURLで言語だけ切り替えている

検索エンジンが言語ごとのページを認識しにくくなります。

改善:言語ごとに個別URLを用意する

hreflangを設定していない・設定が間違っている

言語ページ同士の関係が適切に伝わらない可能性があります。

改善:対応する言語ページを相互に設定する

外国語ページなのに一部だけ日本語

本文は英語なのに、フォームやメニュー、自動返信だけ日本語という状態です。

改善:問い合わせ完了まで言語を統一する

日本語のSEOキーワードをそのまま翻訳する

国や言語によって検索表現や検索意図は異なります。

改善:対象地域・言語ごとにキーワードを調査する

アクセスすると勝手に言語が変わる

ユーザーが希望する言語へ戻れないと使いにくくなります。

改善:分かりやすい言語切り替えリンクを設置する

公開後に日本語版しか更新されない

料金やサービス内容が言語ごとに異なる状態になると、ユーザーの不信感につながります。

改善:日本語更新→翻訳→確認→公開までの運用ルールを決める

公開後の運用|日本語だけ更新される状態を防ぐ

多言語ホームページは、公開後の更新コストまで考えて設計する必要があります。

例えば日本語サイトでサービス内容を変更した場合、英語・中国語ページも必要に応じて更新しなければなりません。

更新内容を次の3種類に分けておくと運用しやすくなります。

全言語で早めに更新する情報

例えば、

  • 料金
  • 営業時間
  • サービス内容
  • 会社住所
  • 問い合わせ方法

などです。

内容が古いとユーザーへ直接影響する情報は、各言語で優先して更新します。

順次翻訳して更新する情報

例えば、

  • 実績
  • お知らせ
  • ブログ
  • 採用情報

などです。

緊急性や重要度を判断しながら、順次更新します。

日本語のみで運用する情報

すべてのコンテンツを全言語へ翻訳する必要はありません。

対象となる海外ユーザーにとって必要性が低い情報であれば、日本語のみで運用する判断もできます。

重要なのは、

「すべて翻訳すること」ではなく「必要な情報を正しい状態で維持すること」

です。

多言語ホームページ制作チェックリスト

企画

  • 対象となる国・地域を決めた
  • 必要な言語を決めた
  • 多言語化の目的を決めた
  • 翻訳するページを決めた
  • 問い合わせ対応できる言語を確認した

URL・SEO

  • 言語ごとに異なるURLを用意した
  • URL構造を統一した
  • hreflangを設定した
  • 各言語版から相互に参照できている
  • 必要に応じてx-defaultを設定した
  • 各言語で検索キーワードを調査した
  • title・descriptionも各言語向けに調整した

コンテンツ

  • 直訳ではなく対象ユーザー向けに編集した
  • 本文とナビゲーションの言語を統一した
  • 料金・単位・日時を確認した
  • 会社情報を掲載した
  • 実績・事例を掲載した
  • FAQを用意した
  • プライバシーポリシーなど必要ページを確認した

問い合わせ

  • フォームを対象言語に対応させた
  • エラーメッセージも翻訳した
  • サンクスページを翻訳した
  • 自動返信メールを翻訳した
  • 海外から実際に問い合わせできる設計になっている

運用

  • 翻訳担当者を決めた
  • 日本語更新時の翻訳フローを決めた
  • 情報の更新漏れを定期的に確認する
  • Search Consoleなどで各言語ページの流入を確認する

まとめ:翻訳ではなく「各言語のユーザー向けサイト」を作る

多言語ホームページを成功させるうえで重要なのは、

「日本語サイトを別の言葉に置き換える」という考え方から離れること

です。

必要なのは、

  • 対象となる国・言語を明確にする
  • 言語ごとに適切なURLを用意する
  • hreflangでページ同士の関係を伝える
  • 検索キーワードも言語ごとに考える
  • 対象ユーザーに伝わる内容へローカライズする
  • 問い合わせまで一つの言語で完結させる
  • 公開後の翻訳・更新体制まで決める

という設計です。

目指すべきなのは、

「外国語で表示できるサイト」ではなく、「海外ユーザーが理解し、比較し、安心して問い合わせできるサイト」

です。

翻訳だけをゴールにせず、SEO・コンテンツ・問い合わせ導線・公開後の運用まで含めて設計しましょう。

多言語・海外向けホームページ制作のご相談ならRefuへ

Refuでは、海外向け・外国人向けホームページについて、サイト構成・言語別URL・SEO設計・コンテンツ設計・問い合わせ導線まで含めてご提案しています。

「英語ページを作りたいけれど、どこまで翻訳すべきか分からない」
「すでに多言語化しているが、海外から問い合わせが来ない」
「更新のたびに各言語の情報がずれてしまう」

といった段階からでも、お気軽にご相談ください。

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