多言語ホームページの作り方|翻訳・SEO・運用で失敗しないポイント
2026/08/31
ホームページ制作の基本多言語ホームページは、単に日本語サイトを翻訳するだけでは十分ではありません。
海外企業との取引、外国人顧客の獲得、インバウンド対応、外国人材の採用などを目的に、多言語ホームページを検討する企業は増えています。
そのときによくあるのが、
「今ある日本語サイトを英語に翻訳すればいい」
という考え方です。
しかし、多言語ホームページで成果につなげるには、文章を別の言語へ置き換えるだけでは不十分です。
考える必要があるのは、
- 誰に見てもらうのか
- どの国・地域を対象にするのか
- どのような言葉で検索されるのか
- どんな情報が信用につながるのか
- どうやって問い合わせてもらうのか
- 公開後に誰が更新するのか
といった、サイト全体の設計です。
多言語サイトは、「翻訳作業」ではなく「別のユーザーに向けたホームページ制作」として考えることが重要です。
「多言語サイト」と「多地域サイト」の違い
似た言葉ですが、「多言語」と「多地域」では考え方が異なります。
多言語サイト
複数の言語でコンテンツを提供するサイトです。
例えば、
- 日本語
- 英語
- 中国語
- ベトナム語
など、言語ごとにページを用意します。
多地域サイト
複数の国や地域を対象として、ユーザーごとに異なる情報を提供するサイトです。
例えば同じ英語でも、
- アメリカ向け
- イギリス向け
- オーストラリア向け
では、価格・サービス内容・配送条件・表現などが異なる場合があります。
そのため制作前には、
「英語ページを作りたい」
だけでなく、
「英語を使う、どの国・地域の誰に届けたいのか」
まで整理しておくことが重要です。
多言語ホームページ制作前に決めるべき5つのこと
多言語サイトを作り始める前に、最低限次の5項目を整理しましょう。
対象となる国・地域
まず、どこにいるユーザーへ届けたいのかを決めます。
例えば、
- アメリカ
- 東南アジア
- ベトナム
- 中国
- 日本国内に住む外国人
などです。
対象地域によって、必要な言語や情報が変わります。
対応する言語
「海外向けだから英語」とは限りません。
実際の顧客や採用ターゲットを基準に、必要な言語を決めます。
サイトの目的
多言語化の目的も明確にします。
例えば、
- 海外企業からの問い合わせ獲得
- 海外への商品販売・輸出
- 外国人観光客からの予約
- 外国人材の採用
- 海外拠点の紹介
などです。
目的によって、必要なページや問い合わせ導線は異なります。
翻訳するページ
すべてのページを最初から翻訳する必要はありません。
まずは、
- トップページ
- サービスページ
- 会社概要
- 実績・事例
- FAQ
- お問い合わせ
など、ユーザーが比較・判断するために必要なページから対応する方法もあります。
公開後に誰が更新するのか
多言語サイトでは、公開後の更新体制が非常に重要です。
公開時には正確に翻訳されていても、
半年後には日本語版だけ更新され、外国語版の料金やサービス内容が古い
という状態は避けなければなりません。
制作段階から、
「日本語を更新したら、誰が他言語版を確認・更新するのか」
まで決めておきましょう。
多言語サイトのURL設計|言語ごとに別URLを用意する
多言語SEOで重要なのがURL設計です。
基本的には、言語ごとに異なるURLを用意し、それぞれのページへ検索エンジンがアクセスできる状態にします。
代表的な方法は次の3つです。
サブディレクトリ
例:
日本語example.com/ja/
英語example.com/en/
中国語example.com/zh/
同じドメイン内で管理できるため、中小企業サイトでも比較的運用しやすい方法です。
サブドメイン
例:
ja.example.com
en.example.com
言語や地域ごとにサイトを分けて管理しやすい反面、運用環境が複雑になりやすい点には注意が必要です。
国別ドメイン
例:
ドイツexample.de
フランスexample.fr
対象国が明確になるメリットがありますが、ドメイン・サーバー・サイト管理の負担も増えます。
初めて多言語サイトを制作する中小企業であれば、既存ドメイン内のサブディレクトリ方式は、管理のしやすさという点で検討しやすい選択肢です。
多言語SEOで重要なhreflangとは?
多言語サイトで覚えておきたい設定の一つが、hreflang(エイチレフラング)です。
言語・地域ごとのページ関係を検索エンジンへ伝える
例えば、
- 日本語版
- 英語版
- 中国語版
に同じ内容のページが存在する場合、
「これらは、それぞれ異なる言語のユーザー向けページです」
と検索エンジンへ伝えるためにhreflangを使用します。
設定方法としては、
- HTML
- HTTPヘッダー
- XMLサイトマップ
などがあります。
複数の方式を無理に併用する必要はなく、サイトの管理方法に合った形で正しく運用することが重要です。
hreflangは相互設定する
hreflangで注意したいのが、一方向だけ設定するケースです。
例えば、
日本語ページ → 英語ページ
だけ設定し、
英語ページ → 日本語ページ
の指定がない状態です。
基本的には、それぞれの言語版から、自分自身を含む対応ページを指定します。
例えば、
日本語ページ
→ 日本語・英語・中国語
英語ページ
→ 日本語・英語・中国語
中国語ページ
→ 日本語・英語・中国語
という形です。
新しい言語ページを追加するときは、翻訳作業だけでなく、既存ページを含めたhreflangの更新まで作業範囲に含めましょう。
x-defaultでデフォルトページを指定する
サイトで対応していない言語のユーザーがアクセスする場合もあります。
その際に利用できるのが、
hreflang="x-default"
です。
例えば、
「Select your language」
という言語選択ページを、特定の言語に当てはまらないユーザー向けのページとして指定する方法があります。
翻訳で失敗しないための5つのポイント
直訳ではなく「現地で伝わる文章」にする
日本語として自然な表現でも、そのまま翻訳すると海外ユーザーには伝わりにくい場合があります。
例えば、
「地域密着で、お客様に寄り添います」
という表現です。
日本ではよく見られますが、海外ユーザーが知りたいのは、
- どの地域まで対応しているのか
- どれくらい早く対応できるのか
- 具体的にどこまで支援してくれるのか
といった情報かもしれません。
多言語化では、日本語をそのまま別の言語へ置き換えるのではなく、対象ユーザーに必要な情報へ編集することが重要です。
検索キーワードも言語ごとに調査する
日本語SEOで狙っているキーワードを、そのまま英訳すればよいとは限りません。
例えば日本語の、
「ホームページ制作」
に対して、英語圏では目的によって、
- web design
- website development
- web design agency
- website company
など、異なる表現で検索される可能性があります。
そのため、
日本語キーワードを翻訳する
のではなく、
対象言語・地域で実際に使われる検索表現を調べる
ことが重要です。
titleや見出し、本文も、その地域の検索意図に合わせて設計しましょう。
料金・単位・日付・住所表記もローカライズする
文章だけ翻訳されていても、
- 円だけで料金が表示されている
- 日本独自の単位を使用している
- 電話番号が国内形式のみ
- 日付表記が分かりにくい
- 営業時間のタイムゾーンが不明
という状態では、海外ユーザーにとって使いやすいサイトとは言えません。
必要に応じて、
- 通貨
- 単位
- 電話番号
- 日付
- 時刻
- 住所
- 配送地域
- 対応エリア
なども調整します。
翻訳だけでなく、実際に利用できる状態まで整えることがローカライズです。
メニュー・フォーム・メールまで言語を統一する
本文が英語でも、
- メニューだけ日本語
- フォームのエラーだけ日本語
- ボタンが「お問い合わせ」
- 自動返信メールが日本語
では、途中でユーザー体験が途切れてしまいます。
確認したいのは、
- ヘッダー
- フッター
- メニュー
- CTA
- フォーム
- エラーメッセージ
- サンクスページ
- 自動返信メール
までです。
問い合わせ完了まで同じ言語で進められるかを確認しましょう。
AI・機械翻訳は人による確認を前提にする
現在はAIや機械翻訳を活用することで、多言語コンテンツを効率よく制作できます。
ただし、
「翻訳できること」と「そのまま公開できること」は別です。
特に、
- 商品名
- 専門用語
- 業界用語
- 契約条件
- 料金
- 法的表現
- キャッチコピー
などは、誤訳による影響が大きくなります。
AIや機械翻訳を下訳として利用し、その言語や業界に詳しい人が最終確認する運用が安全です。
重要なのは、AIを使ったかどうかではなく、そのページが対象ユーザーにとって正確で役立つ内容になっているかです。
海外ユーザーから問い合わせを増やすページ設計
多言語サイトを作っても、会社概要やサービス名だけを翻訳した状態では、問い合わせにつながりにくい場合があります。
最低限、次の情報を整えましょう。
何を提供している会社なのか
ファーストビューで、
「誰に、何を提供している会社なのか」
が分かる状態にします。
海外ユーザーは自社について何も知らない状態で訪れる可能性が高いため、曖昧なキャッチコピーだけで終わらせないことが重要です。
どの地域に対応しているのか
海外対応では、対応エリアを明確にしましょう。
例えば、
- 日本国内のみ対応
- 海外発送可能
- オンライン対応可能
- 特定の国・地域のみ対応
などです。
実績・取引事例
海外ユーザーにとって、自社はまだ「知らない企業」です。
そのため、
- 導入事例
- 取引実績
- 対応業界
- 写真
- 実績数
など、企業としての信頼を判断できる材料を用意します。
会社情報
最低限、
- 正式な会社名
- 所在地
- 代表者
- 設立
- 事業内容
などを分かりやすく掲載します。
問い合わせ方法
海外からでも利用しやすい問い合わせ方法を用意します。
例えば、
- 問い合わせフォーム
- メールアドレス
- オンラインミーティング
- 対応可能言語
などです。
日本国内向けの電話番号しか掲載されていないと、問い合わせのハードルが高くなる場合があります。
言語は自動切り替えより「ユーザーが選べる設計」にする
ブラウザ言語やIPアドレスを利用して、
日本からアクセス
→ 日本語
海外からアクセス
→ 英語
のように自動で切り替えたくなることがあります。
しかし、自動転送だけに依存すると、ユーザーが希望する言語版を閲覧できなかったり、検索エンジンがすべてのページへアクセスしにくくなったりする可能性があります。
基本は、ユーザー自身が言語を選択できる状態にします。
例えばヘッダーに、
JP|EN|中文
といった言語切り替えリンクを設置します。
必要に応じて、
「英語版があります。切り替えますか?」
と案内する方法もあります。
勝手にページを移動させるのではなく、ユーザーへ選択肢を提供する設計が分かりやすいでしょう。
多言語サイトでよくある失敗7選
日本語サイトを丸ごと自動翻訳しただけ
対象ユーザーの文化・検索意図・必要情報まで考慮されていないと、文章は読めても問い合わせにはつながりにくくなります。
改善:対象ユーザーに必要な情報へローカライズする
すべて同じURLで言語だけ切り替えている
検索エンジンが言語ごとのページを認識しにくくなります。
改善:言語ごとに個別URLを用意する
hreflangを設定していない・設定が間違っている
言語ページ同士の関係が適切に伝わらない可能性があります。
改善:対応する言語ページを相互に設定する
外国語ページなのに一部だけ日本語
本文は英語なのに、フォームやメニュー、自動返信だけ日本語という状態です。
改善:問い合わせ完了まで言語を統一する
日本語のSEOキーワードをそのまま翻訳する
国や言語によって検索表現や検索意図は異なります。
改善:対象地域・言語ごとにキーワードを調査する
アクセスすると勝手に言語が変わる
ユーザーが希望する言語へ戻れないと使いにくくなります。
改善:分かりやすい言語切り替えリンクを設置する
公開後に日本語版しか更新されない
料金やサービス内容が言語ごとに異なる状態になると、ユーザーの不信感につながります。
改善:日本語更新→翻訳→確認→公開までの運用ルールを決める
公開後の運用|日本語だけ更新される状態を防ぐ
多言語ホームページは、公開後の更新コストまで考えて設計する必要があります。
例えば日本語サイトでサービス内容を変更した場合、英語・中国語ページも必要に応じて更新しなければなりません。
更新内容を次の3種類に分けておくと運用しやすくなります。
全言語で早めに更新する情報
例えば、
- 料金
- 営業時間
- サービス内容
- 会社住所
- 問い合わせ方法
などです。
内容が古いとユーザーへ直接影響する情報は、各言語で優先して更新します。
順次翻訳して更新する情報
例えば、
- 実績
- お知らせ
- ブログ
- 採用情報
などです。
緊急性や重要度を判断しながら、順次更新します。
日本語のみで運用する情報
すべてのコンテンツを全言語へ翻訳する必要はありません。
対象となる海外ユーザーにとって必要性が低い情報であれば、日本語のみで運用する判断もできます。
重要なのは、
「すべて翻訳すること」ではなく「必要な情報を正しい状態で維持すること」
です。
多言語ホームページ制作チェックリスト
企画
- 対象となる国・地域を決めた
- 必要な言語を決めた
- 多言語化の目的を決めた
- 翻訳するページを決めた
- 問い合わせ対応できる言語を確認した
URL・SEO
- 言語ごとに異なるURLを用意した
- URL構造を統一した
- hreflangを設定した
- 各言語版から相互に参照できている
- 必要に応じてx-defaultを設定した
- 各言語で検索キーワードを調査した
- title・descriptionも各言語向けに調整した
コンテンツ
- 直訳ではなく対象ユーザー向けに編集した
- 本文とナビゲーションの言語を統一した
- 料金・単位・日時を確認した
- 会社情報を掲載した
- 実績・事例を掲載した
- FAQを用意した
- プライバシーポリシーなど必要ページを確認した
問い合わせ
- フォームを対象言語に対応させた
- エラーメッセージも翻訳した
- サンクスページを翻訳した
- 自動返信メールを翻訳した
- 海外から実際に問い合わせできる設計になっている
運用
- 翻訳担当者を決めた
- 日本語更新時の翻訳フローを決めた
- 情報の更新漏れを定期的に確認する
- Search Consoleなどで各言語ページの流入を確認する
まとめ:翻訳ではなく「各言語のユーザー向けサイト」を作る
多言語ホームページを成功させるうえで重要なのは、
「日本語サイトを別の言葉に置き換える」という考え方から離れること
です。
必要なのは、
- 対象となる国・言語を明確にする
- 言語ごとに適切なURLを用意する
- hreflangでページ同士の関係を伝える
- 検索キーワードも言語ごとに考える
- 対象ユーザーに伝わる内容へローカライズする
- 問い合わせまで一つの言語で完結させる
- 公開後の翻訳・更新体制まで決める
という設計です。
目指すべきなのは、
「外国語で表示できるサイト」ではなく、「海外ユーザーが理解し、比較し、安心して問い合わせできるサイト」
です。
翻訳だけをゴールにせず、SEO・コンテンツ・問い合わせ導線・公開後の運用まで含めて設計しましょう。
多言語・海外向けホームページ制作のご相談ならRefuへ
Refuでは、海外向け・外国人向けホームページについて、サイト構成・言語別URL・SEO設計・コンテンツ設計・問い合わせ導線まで含めてご提案しています。
「英語ページを作りたいけれど、どこまで翻訳すべきか分からない」
「すでに多言語化しているが、海外から問い合わせが来ない」
「更新のたびに各言語の情報がずれてしまう」
といった段階からでも、お気軽にご相談ください。
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