図解・グラフで難しいサービスを分かりやすく伝えるデザイン術
2026/09/02
デザイン・ブランディング難しいサービスほど「文章を増やす」だけでは伝わらない
ホームページでサービス内容を説明するとき、
「専門的な内容だから、詳しく説明しなければ」
と考え、文章を増やしていないでしょうか。
特に、
- Web・IT
- コンサルティング
- 製造業
- 士業
- 人材サービス
- 医療・福祉
- 法人向けソリューション
などは、サービスそのものが目に見えなかったり、仕組みが複雑だったりするため、説明が長くなりやすい傾向があります。
しかし、説明量を増やせば増やすほど伝わるとは限りません。
例えば、
「ヒアリング後に現状分析を行い、課題を整理したうえで戦略を設計し、その後制作・実行・検証・改善まで一貫して対応します」
という文章。
内容は理解できますが、一度読んだだけでは全体の流れをイメージしにくいでしょう。
これを、
ヒアリング → 分析 → 戦略設計 → 実行 → 検証 → 改善
という図にすれば、サービスの流れを短時間で把握できます。
難しいサービスほど必要なのは、説明を増やすことではありません。
「文章で詳しく説明する情報」と「図や表で直感的に理解してもらう情報」を分けることが重要です。
まず結論:図解は「理解するまでの時間」を短くするために使う
図解というと、
「ページが寂しいから入れる」
「デザイン性を高めたいから作る」
と考えられることがあります。
しかし、本来の役割は装飾ではありません。
図解の目的は、ユーザーが情報を理解するための負担と時間を減らすことです。
文章だけなら30秒かかる説明を、図を見ることで5秒程度で理解できるのであれば、その図解には意味があります。
反対に、図を見ても、
「結局、何を表しているのか分からない」
となるのであれば、図解した意味がありません。
作り始める前に、
「この図を見た人に、何を一瞬で理解してほしいのか?」
を決めることが重要です。
図解にした方が伝わりやすい情報6パターン
流れを伝える|フロー図・ステップ図
時間や工程の順番がある情報は、文章よりも図解に向いています。
例えばホームページ制作なら、
お問い合わせ
↓
ヒアリング
↓
企画・設計
↓
デザイン
↓
構築
↓
公開
↓
運用・改善
という流れです。
特に、
- 制作の流れ
- 契約までの流れ
- サービス利用の流れ
- 商品発送までの流れ
- 採用選考の流れ
などは、ステップ形式にすると全体像を理解しやすくなります。
さらに、
STEP 1 ヒアリング
目的・課題・ご希望を整理します。
のように短い補足を添えることで、「何をする工程なのか」まで伝えられます。
違いを伝える|比較表・Before/After
自社サービスと一般的なサービスの違いを長文で説明するより、比較表にした方が判断しやすい場合があります。
例えば、
一般的な制作
制作前:依頼内容をもとに制作
制作後:納品して終了
改善型の制作
制作前:目的・ターゲット・導線を整理
制作後:アクセス解析・改善まで支援
と整理すれば、違いが一目で分かります。
比較する場合は、
- 料金
- 対応範囲
- サポート
- 納期
- 特徴
- 向いているケース
など、ユーザーが実際に比較・判断する項目を選びましょう。
自社に有利な項目だけを並べるのではなく、ユーザーが納得して選べる材料を整理することが大切です。
全体像を伝える|関係図・構造図
複数のサービスや施策が連携している場合は、関係図が効果的です。
例えば、
SEO・SNS・広告・オウンドメディア
↓
ホームページ
↓
問い合わせ・採用・売上
という形です。
この方法は、
- ITシステム
- マーケティング
- 人材サービス
- コンサルティング
- 組織体制
- 製造工程
など、複数の要素がどのようにつながっているのかを説明するサービスに向いています。
数値を比較する|棒グラフ
複数の数値を比較したい場合には、棒グラフが分かりやすい方法の一つです。
例えば、
- 問い合わせ件数
- 部門別売上
- サービス別利用数
- 年代別利用者
- 顧客アンケート結果
などです。
棒グラフは、どの項目が大きいのか、小さいのかを比較するときに向いています。
項目を増やしすぎると読み取りにくくなるため、伝えたい比較に絞りましょう。
時系列の変化を伝える|折れ線グラフ
時間の経過に伴う変化を見せたい場合は、折れ線グラフが適しています。
例えば、
サイトリニューアル前後12か月の問い合わせ数
などです。
「問い合わせが増えました」と文章で説明するだけでなく、グラフにすることで、
いつから、どの程度変化したのか
を確認できます。
ただし、成果の変化をすべてWebサイトだけの効果と断定できるとは限りません。
広告施策、営業体制、季節性、市場環境など他の要因が考えられる場合は、その条件も合わせて説明しましょう。
役割や対応範囲を伝える|マトリクス・領域図
「何ができる会社なのか」が分かりにくい場合は、対応領域を図にすると効果的です。
例えば、
企画 → 制作 → 集客 → 分析・改善
という流れの中で、Refuが対応できる範囲を色などで示します。
「企画から運用まで対応します」と文章だけで伝えるよりも、どこからどこまで任せられるのかを具体的に見せることができます。
BtoB・専門サービスで図解が特に効果的な5つの場面
サービスの仕組みが見えにくい
商品販売であれば、実際の商品を見せることができます。
一方、コンサルティング、Web制作、システム開発などは、依頼前に完成形が見えにくいサービスです。
そのため、
「依頼すると、具体的に何をしてくれるのか」
を図で示すことが重要になります。
他社との違いを説明しづらい
「丁寧に対応します」
「ワンストップで支援します」
という表現だけでは、競合との違いが伝わりません。
例えば、
一般的な制作会社
企画 → 制作 → 納品
自社
企画 → 制作 → 公開 → 分析 → 改善
と比較すれば、対応範囲の違いを具体的に伝えられます。
ブランドの強みは、コピーだけではなく、サービスの構造として見せることもできます。
導入後の流れが想像できない
サービス内容を理解していても、
「問い合わせた後はどう進むの?」
が分からなければ、相談へのハードルは下がりません。
導入フローを図解することで、
- 打ち合わせは何回程度あるのか
- どの段階で費用が決まるのか
- 自社で何を準備するのか
- いつ頃完成するのか
など、問い合わせ前の不安を減らせます。
料金の理由が伝わりにくい
「ホームページ制作100万円」
と金額だけ書かれていても、高いのか安いのかを判断することは難しいでしょう。
そこで、
戦略設計
+
サイト構成
+
ライティング
+
デザイン
+
システム構築
+
公開支援
と整理すると、何に費用がかかっているのかが分かります。
料金そのものではなく、価格を構成している内容を可視化することで納得感を高められます。
成果や改善内容を具体的に示したい
制作事例・導入事例では、図解やグラフが特に有効です。
例えば、
Before
サービスページ
↓
問い合わせ
だけだった導線を、
After
記事
↓
サービス
↓
事例
↓
料金
↓
問い合わせ
へ変更したとします。
図で示せば、具体的に何を改善したのかが分かります。
実際の数値がある場合は、条件を明示したうえで変化も合わせて紹介すると、事例の説得力を高められます。
伝わる図解を作る7つのデザインルール
1つの図で伝えることは1つに絞る
最も重要なポイントです。
1枚の図に、
- サービス内容
- 強み
- 流れ
- 料金
- 実績
をすべて入れると、図自体が複雑になります。
図解にはタイトルを付け、
「この図では何を説明するのか」
を明確にしましょう。
見る順番を設計する
図解にも視線の流れがあります。
フローであれば、
左 → 右
または
上 → 下
など、読む方向を統一します。
矢印が途中で戻ったり、上下左右へ行き来したりすると、理解するための負担が増えます。
「どこから見ればいいのか」をユーザーに考えさせないことが大切です。
色に役割を持たせる
図解をカラフルにする必要はありません。
例えば、
- 通常情報:グレー
- 自社の強み:ブランドカラー
- 特に重要なポイント:アクセントカラー
のように役割を決めます。
色数を絞ることで、強調したい情報が分かりやすくなります。
サイト全体の配色ルールと統一することも重要です。
文章を詰め込みすぎない
図解の中に長文を入れると、文章を四角で囲っただけのデザインになってしまいます。
例えば図の中では、
戦略設計 → 制作 → 公開 → 改善
程度まで情報を絞り、詳細は図の下の本文で説明します。
図=要点
本文=詳細
と役割を分けましょう。
アイコンは意味を補助するために使う
アイコンは視認性を高めるために便利ですが、アイコンだけで意味を伝えるのは避けましょう。
例えば、
電話アイコン+「電話で相談」
メールアイコン+「メールで問い合わせ」
のように、短いテキストとセットで使います。
見た人が意味を推測しなければならないような抽象的なアイコンは、かえって理解を妨げることがあります。
スマホで読める大きさを基準にする
PC用に横長の図を作ると、スマートフォンで縮小された際に文字が読めなくなることがあります。
特に、
- 比較表
- フロー図
- 組織図
- 大きな関係図
は注意が必要です。
必要に応じてスマートフォンでは、
横並び → 縦並び
へレイアウトを変更します。
図解も通常のページと同じように、レスポンシブ対応を前提に設計することが重要です。
ブランドのデザインルールを統一する
図解だけが別のデザインになると、サイト全体の統一感が失われます。
揃えたいのは、
- フォント
- ブランドカラー
- 線の太さ
- 角丸
- アイコン
- 矢印
- グラフの色
- 余白
などです。
記事やページごとにゼロから作るのではなく、図解用のデザインルールを決めておくことで、運用時の品質も安定します。
グラフで失敗しないための注意点|数字を強く見せすぎない
グラフは説得力があるからこそ、見せ方には注意が必要です。
例えば、
100件 → 105件
という5%の増加でも、縦軸を99から始めれば、非常に大きく増えたように見せることができます。
また、
- 都合のよい期間だけを切り取る
- 母数を書かない
- 比較条件を揃えない
- パーセントだけを大きく表示する
- 自社に有利な比較対象だけを選ぶ
といった表現も、実態以上の印象を与える可能性があります。
グラフを掲載するときは、必要に応じて、
- 何の数値か
- 対象期間
- 母数
- 計測方法
- 比較条件
- 出典
を明示しましょう。
特に「No.1」「〇%改善」「問い合わせ〇倍」など、商品・サービスの優良性や成果を示す表現は、根拠を確認したうえで掲載する必要があります。
グラフは数字を大きく見せるためではなく、正しく理解してもらうために使うものと考えることが重要です。
SEO・アクセシビリティで注意したいこと|重要情報を画像だけにしない
図解はユーザーにとって分かりやすい一方、
画像の中にすべての情報を書き、本文には説明がない
という状態は避けましょう。
例えば「ホームページ制作の流れ」を図解した場合でも、図の近くに、
- ヒアリング
- 企画・設計
- デザイン
- 構築
- 公開
といった情報をHTMLテキストでも掲載します。
これによって、
- 画像を確認できないユーザー
- 画面読み上げソフトを利用するユーザー
- 画像が読み込まれなかった環境
でも、必要な情報を確認できます。
図解を掲載するときは、次の点を確認しましょう。
- 図解と関連する本文を近くに配置する
- 意味のある画像に適切なalt属性を設定する
- altにSEOキーワードを不自然に詰め込まない
- 図だけに重要な情報を閉じ込めない
- 分かりやすい画像ファイル名を付ける
- 必要以上に重い画像を使用しない
- スマートフォンに合わせて画像サイズを最適化する
SEOのために図解を作るのではなく、ユーザーの理解を助け、その内容を検索エンジンにも正しく伝えられる状態を作ることが基本です。
図解制作の進め方|文章から図に変換する5ステップ
STEP1. まず文章で内容を整理する
最初からデザインソフトを開く必要はありません。
まず、
「この情報で何を伝えたいのか」
を文章で整理します。
STEP2. 情報の種類を判断する
次に、情報の性質を確認します。
順番
→ フロー図
比較
→ 比較表・棒グラフ
時系列の変化
→ 折れ線グラフ・Before/After
関係性
→ 関係図
対応範囲
→ マトリクス・領域図
情報に合った形式を選びましょう。
STEP3. 不要な情報を削る
文章をそのまま図へ移す必要はありません。
例えば、
「担当者が御社へヒアリングを行い、事業内容やターゲットについて詳しくお伺いします」
という文章なら、図では、
ヒアリング
事業・ターゲットを整理
程度で十分です。
詳しい説明は本文に残します。
STEP4. 視線の順番を決める
次に、
- 上 → 下
- 左 → 右
- 中央 → 外側
など、ユーザーが迷わず読める順番を決めます。
その後、必要に応じて矢印・色・アイコンを追加します。
STEP5. スマートフォンで確認する
最後は必ずスマートフォンサイズで確認します。
チェックするのは、
- 文字が読めるか
- 見る順番が分かるか
- 色の違いが認識できるか
- 不要な横スクロールが発生していないか
- 拡大しなくても概要を理解できるか
です。
PCでは分かりやすくても、スマートフォンで読めなければWebサイト上の図解として十分に機能しません。
図解・グラフ改善チェックリスト
目的
- この図で何を伝えるか1文で説明できる
- 本当に図解にした方が理解しやすい情報か確認した
- 装飾目的だけになっていない
- ユーザーの疑問解消につながっている
形式
- 流れ → フロー図
- 比較 → 比較表・棒グラフ
- 時系列 → 折れ線グラフ
- 関係 → 関係図
- 対応範囲 → マトリクス
- Before/After → 並列比較
など、情報に合った形式を選んでいる
デザイン
- 1つの図に情報を詰め込みすぎていない
- 視線の流れが分かる
- 使用カラーが多すぎない
- ブランドカラーと統一されている
- フォントがサイトと統一されている
- アイコンだけに意味を持たせていない
- スマートフォンでも読める
グラフ・数値
- 対象期間が明記されている
- 必要に応じて母数を表示している
- 比較条件が揃っている
- 数値の出典を確認している
- グラフの軸で過度に差を強調していない
- 成果との因果関係を断定しすぎていない
- 「No.1」「〇%改善」などの表示に根拠がある
SEO・アクセシビリティ
- 図の内容を本文でも説明している
- 関連文章の近くに図を配置している
- 意味のある画像に適切なaltを設定している
- altへキーワードを羅列していない
- 画像だけに重要情報を閉じ込めていない
- 画像容量を最適化している
まとめ:難しいサービスほど「読ませる」より「理解させる」
専門性の高いサービスでは、
「きちんと説明しなければ」
という意識から、文章が長くなりがちです。
しかし、ユーザーが求めているのは文章量ではありません。
「自分にも理解できること」です。
そのため、
- 文章で詳しく説明する
- 図で全体像を見せる
- 表で違いを比較する
- グラフで数値の変化を示す
といった方法を、情報の内容に合わせて使い分けることが重要です。
図解は、ページを華やかにするための装飾ではありません。
複雑な情報を整理し、企業側とユーザー側の知識の差を埋めるためのコミュニケーション手段です。
自社にとって当たり前の情報ほど、初めてサイトを見るユーザーには難しく感じられることがあります。
文章を書き終えたら、一度、
「これは本当に文章だけで説明するのが一番分かりやすいか?」
と考えてみましょう。
適切な図解・比較表・グラフを組み合わせることで、専門性の高いサービスでも、初めて見る人が「分かる・納得できる・相談できる」ホームページへ近づけます。
専門サービスを「伝わる形」に整理するならRefu
Refuでは、見た目を整えるだけではなく、専門性の高いサービスについて、「ユーザーにどうすれば理解してもらえるか」から逆算して情報を設計しています。
文章だけでは説明しづらい内容も、フロー・比較表・図解・事例などを組み合わせながら、初めて見る人にも全体像や違いが伝わるサイトへ整理します。
「サービス内容が複雑で説明が長くなっている」
「営業では説明できるのに、ホームページでは伝わりにくい」
「他社との違いを文章だけでは表現しづらい」
といった場合も、お気軽にご相談ください。
その他おすすめ記事はこちら
アイコン・イラスト活用で“伝わる”を加速する|使いどころと注意点
“なんとなく見づらい”を解決する情報設計|見出し・箇条書き・図解の使い分け
BtoBサイトのデザインで意識すべきポイント5選|“選ばれる企業”になるための信頼設計
導入事例ページの“見せ方”で受注率が変わる|構成とデザインの型
