リブランディングに伴うホームページリニューアル|変えるもの・残すもの
2026/09/16
デザイン・ブランディングリブランディングは「全部変えること」ではない
企業の成長や事業転換に伴い、
- ターゲットを変えたい
- 会社のイメージを変えたい
- サービスの価値を分かりやすくしたい
- 社名やサービス名を変更したい
- 今のホームページが会社の実態と合わなくなった
というタイミングで、リブランディングとホームページリニューアルを同時に行うことがあります。
このとき起こりやすいのが、
「せっかくリブランディングするなら、全部新しくしよう」
という考え方です。
しかし、既存サイトにはすでに、
- 検索エンジンから評価されているページ
- 顧客に認知されている企業名
- 長年蓄積した実績
- よく読まれているコンテンツ
- 問い合わせにつながっている導線
などのブランド資産・Web資産が存在する場合があります。
リブランディングとは、それらをゼロにすることではありません。
「今ある価値を見極め、新しい方向へ再編集すること」
と考えるのが重要です。
まず結論:変える基準は“新しいブランドに必要か”、残す基準は“すでに価値があるか”
リブランディングに伴うサイトリニューアルでは、すべてを「新しい・古い」で判断しないことが大切です。
判断軸は、
変えるもの
→ 新しいターゲット・価値・ブランドを伝えるために変更が必要か
残すもの
→ 顧客・検索・営業において、すでに価値を生んでいるか
です。
例えば、デザインは大きく変更しても、検索流入を獲得している記事のURLは残せるかもしれません。
社名は変えても、過去の実績まで消す必要はありません。
逆に、昔から使っているキャッチコピーでも、新しい事業方針に合わなければ変更が必要です。
「何年使っているか」ではなく「これからのブランドに必要か」で判断する。
これが基本です。
ホームページで変えるべき6つの要素
ブランドコンセプト・メッセージ
最初に変えるべきなのは、デザインではありません。
「私たちは誰に、どのような価値を提供する会社なのか」
というブランドの軸です。
例えば、
旧:
「幅広いWeb制作に対応します」
新:
「中小企業の事業成長につながるWebサイトを設計する」
では、サイト全体で伝えるべき情報が変わります。
ブランドコンセプトが決まらないまま、
- ロゴ
- 色
- 写真
- キャッチコピー
を作ると、結局「見た目だけ変わったサイト」になります。
ロゴ・カラー・フォントなどのビジュアル
ブランドの方向性が変わる場合、ビジュアルも見直します。
例えば、
以前:親しみやすさ重視
から、
今後:専門性・信頼性を強くしたい
へ変えるのであれば、
- 配色
- フォント
- 写真
- 余白
- アイコン
- UI
なども調整します。
ただし、ブランドカラーなどがすでに顧客へ強く認知されているなら、完全に捨てる必要はありません。
色そのものを変えるのではなく、使い方を変える
という方法もあります。
ファーストビューとコピー
リブランディングで最も影響が大きいのがファーストビューです。
旧サイトのコピーをそのまま残すと、
「デザインは新しいのに、言っていることは以前と同じ」
という状態になります。
ファーストビューでは、
- 誰向けなのか
- 何を提供するのか
- 何が変わったのか
- どのような価値を約束するのか
を再整理します。
新ブランドの方向性を最も端的に表現する場所です。
サイト構成・導線
事業構造やターゲットが変われば、ページ構成も変える必要があります。
例えば以前は、
会社概要 → 事業内容 → 実績 → 問い合わせ
という会社案内型だったとしても、新ブランドでは、
課題 → サービス → 強み → 事例 → 料金 → 問い合わせ
という顧客視点の構成が合うかもしれません。
既存サイトのページ名をそのまま移植するのではなく、新しいユーザーが何を知りたいかから再設計します。
写真・事例・コンテンツの見せ方
写真もブランドイメージを大きく左右します。
例えば、
- スーツ姿中心
- 現場中心
- チームの自然な様子
- 製品・設備中心
- 顧客との打ち合わせ
など、何を撮影するかによって企業の印象は変わります。
また、実績についても、
「100件制作しました」
だけではなく、
「どんな課題に、どう対応したのか」
まで見せることで、新しいブランドの価値を伝えられます。
CTA・問い合わせまでの流れ
ブランド変更によってターゲットが変われば、CTAも見直します。
旧:
お問い合わせ
だけだったものを、新しく、
- 無料相談
- 資料請求
- 事例を見る
- まずは課題を相談する
などへ変更することも考えられます。
特に高額なBtoBサービスでは、いきなり問い合わせを求めるより、検討段階に合わせた中間導線を用意した方が自然なケースもあります。
リブランディングでも残したい5つの資産
検索流入を獲得しているページ・URL
デザインを変えるからといって、既存URLまで変更する必要はありません。
例えば、
example.jp/service/web-design/
というページが検索から継続的に流入を獲得しているなら、新サイトでも同じテーマを扱うのであれば、URLを維持できないか検討します。
URLを変更する場合も、
旧URL → 対応する新URL
を整理して適切にリダイレクトします。
「古いサイトだから全部URLを作り直す」は避けたい考え方です。
顧客から認知されている要素
ロゴ・色・サービス名・キャラクター・コピーなど、既存顧客から認知されている要素には価値があります。
例えば、
青色=この会社
という認知がすでにあるなら、リブランディング後も青を一部残す方法があります。
リブランディングは、
過去との断絶
ではなく、
過去から未来への接続
と考えると判断しやすくなります。
実績・事例・お客様の声
ブランドが変わっても、過去に提供した価値まで消えるわけではありません。
むしろ、
「これまでの実績があり、その経験をもとに次のブランドへ進んだ」
というストーリーは信頼につながります。
ただし、現在では提供していないサービスの事例を残す場合は、
現在の対応範囲と誤認されないよう整理する
ことが必要です。
検索ニーズに応えているコンテンツ
ブログ・コラム・FAQなども重要な資産です。
古い記事だからという理由だけで削除せず、
- 現在も検索流入がある
- 内容を更新すれば使える
- 新ブランドのターゲットにも関係する
のであれば、リライトして残します。
一方で、新しい事業とまったく関係がなくなったコンテンツについては、統合・削除を検討します。
機能している問い合わせ導線
リブランディングでは新しいことに目が向きがちですが、
今すでに成果を出している仕組み
を壊さないことも重要です。
例えば、
- よく押されているCTA
- 問い合わせ前によく見られる事例
- 人気のFAQ
- 資料請求
- 電話導線
などです。
アクセス解析や問い合わせ経路を確認し、残すべき勝ちパターンを把握してからリニューアルしましょう。
どこまで変える?3段階で考えるリブランディング
LEVEL1:見た目とメッセージを整える
対象:
- 事業内容は大きく変わらない
- ターゲットも大きく変わらない
- 古く見えるブランドイメージだけ整えたい
主な変更:
- キャッチコピー
- 配色
- フォント
- 写真
- レイアウト
- トーン&マナー
この場合は、URL構造やコンテンツを大幅に変えずに進められる可能性があります。
LEVEL2:ターゲット・サービスの見せ方まで再設計する
対象:
- 狙いたい顧客が変わった
- 高単価サービスへ移行したい
- 事業内容が増えた
- 採用・集客などサイトの役割を変えたい
主な変更:
- ブランドコンセプト
- サイト構成
- サービス分類
- コピー
- 事例の見せ方
- CTA
- 写真
この段階では、単なるデザインリニューアルではなく、コンテンツ戦略から再設計する必要があります。
LEVEL3:社名・サービス名・ドメインまで変更する
最も影響が大きいケースです。
例えば、
旧サービス名 → 新ブランド名
だけでなく、
old-brand.jp
から
new-brand.jp
へドメインも変更する場合です。
ここでは、
ブランド変更+サイトリニューアル+SEO移行
を同時に考える必要があります。
特に慎重な計画が必要です。
社名・ドメインまで変える場合のSEO注意点
ドメインやURLを変更するリニューアルでは、デザイン以上に移行設計が重要です。
Google Search Centralは、URL変更を伴うサイト移転について、事前に旧URLと新URLの対応表を作成し、旧URLから新URLへサーバー側の恒久的リダイレクトを設定し、移行後は新旧URLのトラフィックを監視する流れを案内しています。
最低限確認したいのは、次の項目です。
旧URLと新URLの対応表を作る
例えば、
old.jp/service-a/
↓
new.jp/service-a/
のように、ページ単位で移行先を整理します。
関係のないページをすべてトップページへ転送しない
旧ページと対応する新ページがあるなら、そのページへ転送します。
Googleも、多数の旧URLを関連性のない新トップページへまとめてリダイレクトすると、ユーザーを混乱させ、soft 404として扱われる可能性があると案内しています。
内部リンクを新URLへ変更する
リダイレクトがあるからといって、サイト内リンクを旧URLのまま残さないようにします。
canonical・サイトマップを確認する
公開後は、新URLを基準に設定されているか確認します。
Search Consoleを確認する
ドメイン変更の場合、条件に応じてSearch Consoleの「アドレス変更」も利用します。
Googleはドメイン・サブドメイン変更時の利用方法を案内しています。
できれば“大きな変更を全部同時にしない”
Google Search Centralでは、
ドメイン変更
+CMS変更
+レイアウト変更
など複数の大きな変更を同時に行うのではなく、可能であれば一つずつ変更することを推奨しています。
また、大規模なサイト変更ではGoogleによる再クロール・再インデックスの過程で、一時的に検索順位が変動する可能性があることも案内されています。
実際のプロジェクト事情によって同時変更が必要な場合もありますが、
「全部変えるほどリスク管理が難しくなる」
という認識は持っておきましょう。
旧ブランドから新ブランドへ認知をつなぐ方法
社名やサービス名まで変更した場合、企業側は公開日から新ブランドになっていても、顧客側の認知はすぐには切り替わりません。
例えば一定期間、
新ブランド名
旧〇〇
のように旧名称との関係を説明する方法があります。
また、
- 新ブランドのお知らせページを作る
- 変更理由を代表メッセージで説明する
- メール署名を変更する
- SNSプロフィールを更新する
- Googleビジネスプロフィール等の情報を確認する
- 営業資料・名刺も統一する
など、ホームページ以外の接点も同時に確認します。
リブランディングで重要なのは、
「変わったことを見せる」だけではなく「同じ会社だと理解してもらう」こと
です。
リブランディングサイト制作の進め方7ステップ
なぜリブランディングするのか整理する
「古いから」だけでは不十分です。
- 顧客層を変える
- 価格帯を変える
- 事業を拡大する
- 採用力を高める
- ブランドイメージを変える
など、経営・事業上の目的を整理します。
既存ブランドの資産を棚卸しする
現在の、
- 認知
- 実績
- 検索流入
- 人気ページ
- 既存顧客からの評価
- ブランドカラー
- 会社名・サービス名
を確認します。
ここで「残すもの」を決めます。
新しいターゲットと提供価値を決める
誰に
何を提供し
なぜ自社が選ばれるのか
を言語化します。
これが新サイト全体の判断軸になります。
変えるもの・残すものを一覧化する
例えば、
変える
- キャッチコピー
- 写真
- ページ構成
- デザイン
- CTA
残す
- 検索流入のあるURL
- 主要実績
- 顧客に認知されているブランドカラー
というように整理します。
サイト構成とデザインを再設計する
新ブランドの価値が最短で伝わるよう、
トップ → サービス → 強み → 事例 → 信頼情報 → CTA
などの導線を設計します。
SEO・URL移行計画を作る
既存サイトがある場合は、
- URLを維持するページ
- URLを変更するページ
- 統合するページ
- 削除するページ
- リダイレクトするページ
を整理します。
この作業を公開直前まで後回しにしないことが重要です。
公開後に“新ブランドが伝わっているか”を確認する
リブランディングは公開して終了ではありません。
公開後は、
- 問い合わせ内容
- 問い合わせ顧客の属性
- 主要ページの閲覧
- CTAクリック
- 検索流入
- 指名検索
- 営業現場での反応
などを確認します。
デザインが好評かではなく、狙ったブランド認知へ近づいているかを評価します。
よくある失敗7つ|リニューアルしたのにブランドが弱くなる原因
ロゴと色だけ変えて終わる
ブランドの価値やターゲットが変わっていなければ、単なるデザイン変更です。
過去の実績を全部消す
歴史や実績まで失う必要はありません。
検索流入のあるページを確認せず削除する
公開後に「アクセスが減った」と気づくケースがあります。
URLをすべて変更する
変更する必要がないURLまで変えないようにします。
新しいブランド名を説明しない
既存顧客から「別会社になった?」と思われる可能性があります。
Webサイトだけリブランディングする
営業資料・SNS・名刺・会社案内などが旧ブランドのままだと、体験が分断されます。
“おしゃれになったか”だけで成功を判断する
最終的には、
狙った顧客から問い合わせが来ているか
まで確認する必要があります。
商標・写真・ロゴなどリブランディング時の法務チェック
リブランディングでは、新しい名称・ロゴ・コピーを作るため、通常のリニューアル以上に権利関係の確認が重要です。
新しい社名・サービス名は商標を確認する
新しいブランド名が決まってから、
「すでに他社が商標登録していた」
となると、サイト・ロゴ・名刺・看板などを作り直すリスクがあります。
特許庁は、特許・実用新案・意匠・商標などを検索できるJ-PlatPatを案内しています。
名称決定時には既存商標を確認し、重要なブランドについては必要に応じて弁理士など専門家へ相談しましょう。
ロゴ制作の権利範囲を確認する
外部デザイナー・制作会社へ依頼する場合は、
- 著作権
- 使用範囲
- データ納品
- 改変の可否
- 商標登録への利用
などを契約時に確認しておくと安全です。
写真・事例を新ブランドでも使えるか確認する
以前掲載許可を得た顧客写真・企業ロゴ・導入事例でも、新ブランドサイトへの転載や広告利用まで許可範囲に含まれているとは限りません。
利用条件を確認しましょう。
新しいキャッチコピーの強い表現にも注意する
リブランディングでは、
「業界No.1」
「地域最大級」
「圧倒的」
「必ず成果につながる」
など、印象の強いコピーを使いたくなることがあります。
客観的な事実を伴う表現については、根拠や比較条件を確認し、実態以上の印象を与えないよう注意します。
ブランドを強く見せることと、誇大に見せることは別です。
このまま使えるリブランディングチェックリスト
ブランド
- リブランディングする目的を説明できる
- 新しいターゲットが明確
- 提供価値を一文で説明できる
- 旧ブランドから残す要素を決めている
- 新ブランドで変える要素を決めている
- ロゴ・色・フォントだけの変更になっていない
コンテンツ
- ファーストビューのコピーを見直した
- サービス構成を見直した
- 既存の実績を棚卸しした
- お客様の声を確認した
- 古い情報を更新した
- 新ブランドと関係のないコンテンツを整理した
SEO・サイト移行
- 既存ページのアクセスを確認した
- 検索流入があるページを把握した
- URLを維持できるページを確認した
- 旧URL・新URLの対応表を作った
- 必要な恒久的リダイレクトを設定した
- 内部リンクを新URLへ変更した
- canonicalを確認した
- XMLサイトマップを更新した
- Search Consoleを確認した
- ドメイン変更時の移行対応を整理した
ブランド移行
- 旧ブランドとの関係を説明できる
- 既存顧客への案内を準備した
- SNSを更新した
- 営業資料を更新した
- 名刺・会社案内を更新した
- 外部掲載情報を確認した
権利・法務
- 新ブランド名の商標を確認した
- ドメインを確認・確保した
- ロゴの権利関係を確認した
- 写真・実績の再利用許可を確認した
- 強い実績表現に根拠がある
- 新旧ブランドの表示で顧客を混乱させない
まとめ:捨てるのではなく「ブランド資産を引き継いで更新する」
リブランディングに伴うホームページリニューアルでは、
「何を新しくするか」
ばかりに目が向きます。
しかし、本当に重要なのは、
「何を残すか」
まで考えることです。
企業には、長年の活動によって蓄積された、
- 顧客からの認知
- 検索評価
- 実績
- 事例
- ブランドカラー
- コンテンツ
- 問い合わせ導線
があります。
それらをすべて捨ててゼロから作り直す必要はありません。
残す価値があるものは残し、今後の事業に合わなくなったものを変える。
そのうえで、
誰に
どのような会社として認知され
何を理由に選んでもらいたいのか
をホームページ全体で統一する。
これが、単なる「サイトを新しくする」リニューアルと、事業成長につながるリブランディングの違いです。
リブランディング・ホームページリニューアルならRefuへ
Refuでは、ホームページの見た目だけを作り直すのではなく、現在のブランド・検索流入・実績・ユーザー導線を棚卸ししたうえで、「残すもの」と「変えるもの」を整理するところからリニューアルを設計します。
「会社の方向性が変わったのでサイトも見直したい」
「ブランドを新しくしたいが、今までの検索評価や実績を失いたくない」
といった場合も、まずは現在の状況から整理します。
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